コラム815

「毎回の事だけど」
今年の1学期も数多くの催し物が開催されました。
文化部(吹奏楽)顧問の立場から見た1学期を振り返ってみました。

熊本県高等学校総合文化祭が5月30日~6月1日に行われ本校の吹奏楽部は30日に高文祭として新市街~下通り~上通りをパレードしました。昨年までは上通からの出発でしたが今年からは新市街からが出発となり無事に終わることができました。沿道で見に来ていただいたお客様からの声援、ありがとうございました。5月30日・31日と県立劇場ではステージパフォーマンスや展示などが行われ本校生徒も他校との交流に目を輝かせていたようです。

また、前のコラムにも掲載されていましたが5月31日から高校総体も行われました。本校の吹奏楽部は約20年前から式典のファンファーレを担当しています。今年は式典が始まって雨が降り出し入場してくる選手はかなり濡れていたようです。かわいそうな気もしましたが、雨にも負けず頑張っていた姿はとても素晴らしく思いました。

毎年、行われている行事ではありますが、文化にしてもスポーツにしても感動を頂くことができました。まだ、何もしていない人がいれば是非、打ち込めるものを見つけてはどうでしょうか。

(市原 彰)

7月のおすすめ図書です。

『マンガでわかる外国人との働き方』
ロッシェル・カップ∥著 千代田まどか∥著 えんぴつ∥作画 スポマ∥編集
外国人と一緒に働く際の「あるある」をマンガで紹介している本です。日本人と外国人の考え方、働き方の違いを知ることができます。職場以外で、外国人とコミュニケーションをとる場面でも活用できそうなことも書いてあります。読んでおいて損はありませんよ。

『カメラ1年生 iPhone・スマホ写真編 たのしいカメラ学校の教科書』
矢島直美∥著
iPhoneやスマホで写真を撮ってみても何だかしっくりこない…という人におすすめの本です。5つのカメラの基本をおさえれば、誰でもワンランク上の写真が撮れるそうです。ぜひチャレンジしてみてください。ただし、写真を撮る際は周囲に気を配って、自分の世界にのめりこまないように注意してくださいね。

『黄泉がえりagain』 梶尾真治∥著
熊本地震から2年経ち、死者が次々生き返る「黄泉がえり」現象が再び発生します。今度は何と、加藤清正も蘇ってしまいます。なぜまた「黄泉がえり」が起きたのか、蘇った者たちは何のために帰ってきたのか。

7月の新着図書です。

新着図書87冊を紹介します。
●『海外で研究者になる 就活と仕事事情』 増田直紀∥著 中央公論新社
●『IoTクライシス サイバー攻撃があなたの暮らしを破壊する』 NHKスペシャル取材班∥著 NHK出版
●『たくさがわ先生が教えるパソコンの困った!お悩み解決超入門』 たくさがわつねあき∥著 技術評論社
●『おかんメール リターンズ』 『おかんメール』制作委員会∥編 扶桑社
●『ひとりで、考える 哲学する習慣を』 小島俊明∥著 岩波書店
●『小さな習慣で毎日がうまくいく365日の願かけ』 WRITES PUBLISHING∥編 ライツ社 布川愛子∥絵 西川有紀∥文・願かけセレクト
●『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ∥著 講談社
●『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』 高濱正伸∥監修 日本図書センター 林ユミ∥絵
●『これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活』 草薙龍瞬∥著 KADOKAWA
●『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』 草薙龍瞬∥著 KADOKAWA
●『戦国戦の作法』 小和田哲男∥監修 GB
●『平成時代』 吉見俊哉∥著 岩波書店
●『超ビジュアル!三国志人物大事典』 渡辺精一∥監修 西東社
●『物語オーストラリアの歴史 中欧「いにしえの大国」の千年』 山之内克子∥著 中央公論新社
●『恋するせつない歴史人物事典 あの偉人たちの泣ける素顔がまる見え!』 大石学∥監修 学研プラス
●『橘諸兄 新装版』 中村順昭∥著 吉川弘文館 日本歴史学会∥編
●『ニッポン47都道府県正直観光案内』 宮田珠己∥著 本の雑誌社
●『命に国境はない 紛争地イラクで考える戦争と平和』 高遠菜穂子∥著 岩波書店
●『図解はじめて学ぶみんなの政治』 アレックス・フリス∥文 晶文社 ロージー・ホア∥文 ルイ・ストーウェル∥文 ケラン・ストーバー∥イラスト ヒューゴ・ドローション∥オリジナル監修 ダニエル・ヴィーホフ∥オリジナル監修 浜崎絵梨∥訳 国分良成∥監修
●『マキァヴェッリ 『君主論』をよむ』 鹿子生浩輝∥著 岩波書店
●『図解いちばんやさしい地政学の本 沢辺有司∥著 彩図社2019-20年度版
●『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』 馬屋原吉博∥著 すばる舎
●『アメリカ人のみた日本の死刑』 デイビッド・T・ジョンソン∥著 笹倉香奈∥訳 岩波書店
●『ふるさとって呼んでもいいですか 6歳で「移民」になった私の物語』 ナディ∥著 大月書店
●『マンガでわかる外国人との働き方』 ロッシェル・カップ∥著 秀和システム千代田まどか∥著 えんぴつ∥作画 スポマ∥編集
●『高校生からのリーダーシップ入門』 日向野幹也∥著 筑摩書房
●『5日で学べて一生使える!プレゼンの教科書』 小川仁志∥著 筑摩書房
●『社会学用語図鑑 人物と用語でたどる社会学の全体像』 田中正人∥編著 プレジデント社香月孝史∥著
●『「宿命」を生きる若者たち 格差と幸福をつなぐもの』 土井隆義∥著 岩波書店
●『東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか』 中村淳彦∥著 東洋経済新報社
●『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』 モカ∥著 高野真吾∥著 光文社
●『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』 小幡和輝∥著 健康ジャーナル社
●『コミュ障のための面接戦略』 曽和利光∥著 星海社 講談社(発売)
●『「いいね!」戦争 兵器化するソーシャルメディア』 P・W・シンガー∥著 NHK出版エマーソン・T・ブルッキング∥著 小林由香利∥訳
●『にわかには信じがたい本当にあったこと』 デビッド・ブラウン∥編 日経ナショナルジオグラフィック社 日経BPマーケティング(発売)
●『科学者と魔法使いの弟子 科学と非科学の境界』 中尾麻伊香∥著 青土社
●『皮膚はすごい 生き物たちの驚くべき進化』 傳田光洋∥著 岩波書店
●『飛翔 野生の瞬間』 真木広造∥撮影・監修 メイツ出版
●『19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』 石井洋介∥著 PHPエディターズ・グループ PHP研究所(発売)
●『マイクロカプセル香害 柔軟剤・消臭剤による痛みと哀しみ』 古庄弘枝∥著 ジャパンマシニスト社 被害者・発症者の声∥著
●『みんなのストレッチ 1日3分!膝・腰・肩しつこい痛みから解放される 永久保存版』 フィジカルトレーナー協会∥著 講談社 中野ジェームズ・修一∥監修
●『科学技術の現代史 システム、リスク、イノベーション』 佐藤靖∥著 中央公論新社
●『水道民営化で水はどうなるのか』 橋本淳司∥著 岩波書店
●『プラスチック汚染とは何か』 枝廣淳子∥著 岩波書店
●『復興熊本城vol.2 天守復興編1 平成30年度上半期まで』 熊本城総合事務所∥文 熊本市 熊本城調査研究センター∥文 熊日出版 (発売)
●『世界一ためになる!美容成分図鑑』 佐藤薫∥監修 菜々子∥マンガ 新星出版社
●『TOKYOGIRL’SFASHIONDIARY』 ニシイズミユカ∥著 実業之日本社
●『R先生のおやつ』 雲田はるこ∥まんが 文藝春秋 福田里香∥レシピ
●『厨房から台所へ 志麻さんの思い出レシピ31』 タサン志麻∥著 ダイヤモンド社
●『ブドウ NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ7』 望岡亮介∥著 NHK出版
●『その子はあなたに出会うためにやってきた。 愛犬や愛猫がいちばん伝えたかったこと』 大河内りこ∥著 青春出版社
●『奇跡の犬、ウィル 福島から来た学校犬の物語』 吉田太郎∥著 セブン&アイ出版
●『原田マハの印象派物語』 原田マハ∥著 新潮社
●『ゾンビで学ぶAtoZ 来るべき終末を生き抜くために』 ポール・ルイス∥著 小鳥遊書房 ケン・ラマグ∥絵 伊藤詔子∥訳
●『ともだちや』  内田麟太郎∥作 偕成社 降矢なな∥絵
●『カメラ1年生 iPhone・スマホ写真編 矢島直美∥著 インプレスたのしいカメラ学校の教科書』
●『もっと知りたい刀剣 名刀・刀装具・刀剣書』 内藤直子∥監修・著 東京美術 吉原弘道∥著
●『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』 アダム・ブレイ∥作 アシュ・クリエイティブ 大木哲∥訳 デアゴスティーニ・ジャパン(発売) 権田アスカ∥訳 小林響子∥訳
●『中村俊輔式サッカー観戦術』 中村俊輔∥著 ワニブックス
●『勝負師の極意』 武豊∥著 双葉社
●『茶のある暮らし 千宗屋のインスタ歳時記』 千宗屋∥著 講談社
●『超超超超超超超超超超超超超超超超超超むずかしすぎるまちがいさがし こどももおとなも必ずハマる!』 むずかしすぎるまちがいさがし制作委員会∥著 ワニブックス
●『TJG頭字語事典 教養を高める500ワード』 一校舎頭字語研究会∥編 ワニブックス
●『英文徹底解読ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞スピーチ』 畠山雄二∥著 ベレ出版
●『13歳からの英語で自分の意見を伝える本 東大卒の著者が教える「英語のアタマを作る」学び方』 小野田博一∥著 PHPエディターズ・グループ PHP研究所(発売)
●『エヌ氏の遊園地』 星新一∥著 新潮社
●『ノーサイド・ゲーム』 池井戸潤∥著 ダイヤモンド社
●『しずかな魔女 物語の王国』 市川朔久子∥作 岩崎書店
●『くまちゃん』 角田光代∥著 新潮社
●『夜空の呪いに色はない』 河野裕∥著 新潮社
●『きみの世界に、青が鳴る』 河野裕∥著 新潮社
●『黄泉がえりagain』 梶尾真治∥著 新潮社
●『そこにいるのに』 似鳥鶏∥著 河出書房新社
●『いつも彼らはどこかに』 小川洋子∥著 新潮社
●『あなたの愛人の名前は』 島本理生∥著 集英社
●『夏の祈りは』 須賀しのぶ∥著 新潮社
●『君が落とした青空』 櫻いいよ∥著 スターツ出版
●『マリー・アントワネットの日記 Rose』 吉川トリコ∥著 新潮社
●『マリー・アントワネットの日記 Bleu』 吉川トリコ∥著 新潮社
●『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信∥著 新潮社
●『さきちゃんたちの夜』 よしもとばなな∥著 新潮社
●『老いのゆくえ』 黒井千次∥著 中央公論新社
●『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』 小林さやか∥著 マガジンハウス
●『物語北欧神話 上』 ニール・ゲイマン∥著 原書房金原瑞人∥訳 野沢佳織∥訳
●『物語北欧神話 下』 ニール・ゲイマン∥著 原書房金原瑞人∥訳 野沢佳織∥訳
●『サカナ・レッスン 美味しい日本で寿司に死す』 キャスリーン・フリン∥著 CCCメディアハウス村井理子∥訳
●『園芸家12カ月 改版』 カレル・チャペック∥著 中央公論社 小松太郎∥訳

コラム814

「オリンピックと平和」

 2020年オリンピックに向かって、ドラマや特集など賑やかになってきました。東海大学の付属高校ではオリンピズムを伝える学園オリンピックやオリンピック教育などのオリンピックムーブメントを行っています。
創立者が「オリンピック」に対して、どんな思いがあったのか調べると2名の人物が浮かび上がります。ピエール・ド・クーベルタン男爵と嘉納治五郎先生のどんな思いが松前重義博士に繋がったのか、調べてみました。

〇ピエール・ド・クーベルタン男爵と嘉納治五郎先生の出会い
 フランスのクーベルタン男爵は戦争で荒廃したヨーロッパや、自国と他国の教育の違いを見ていく中で、教育の重要さを感じ教育改革に取り組み、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というオリンピズムに基づいて、近代オリンピックを創始しました。オリンピズムの理念を広げていくオリンピックムーブメントに取り組む中で、ヨーロッパとアジアの文化が交わることでオリンピズムが新しい形に変化していくと考え、アジアの代表として嘉納治五郎先生をオリンピックの委員(1909~1938年)として選びました。嘉納先生は、1940年の幻の東京オリンピックを27年間のオリンピックムーブメントを通して招致されるなど、精力的に活動されましたが1938年に客死し、1940年に日本は開催権を返上し、第2次世界大戦に世界は進んでいきました。
 嘉納先生は、西洋のスポーツ文化に、「精力善用・自他共栄」という武道精神を加味することを構想していたと言われています。「精力善用・自他共栄」の考えは、「目的を果たすために最も効力ある方法を用いつつ、それを実生活に生かすことによって、人間と社会の進歩・発展に貢献すること」になります。

〇嘉納治五郎先生と松前重義博士(本学園の創立者)
  松前重義博士は、1964年の東京オリンピックの際に国会議員として尽力し、日本武道館(柔道会場)の建築などに関わられています。東京オリンピックで正式種目となった「柔道」は当初はプールに畳を敷いて実施される予定だったそうです。同年に学園オリンピックのスポーツ部門が始まりました。そして、クーベルタンの理念“Olympic is wedding of sport and art.(オリンピックはスポーツと文化の融合)”に敬意を表し、1991年から文化部門がスタートしています。また、2020年東京オリンピックに向けてのオリンピックムーブメントとして、2015年から本学園では「オリンピック教育」が始まっています。創立者は「オリンピック」にどんな思いがあったのでしょうか?
 創立者は、32歳の時に国の官僚としてヨーロッパに出張留学中、柔道のヨーロッパ普及のためドイツを訪れていた73歳の嘉納先生と出会われています。その時に二人は乱取り形式でドイツ人に技を披露したり、嘉納先生が自らの言葉で説明したりしています。創立者の著書を読むと、その時の嘉納先生の姿が大きな刺激になったことが読み取られます。
 嘉納先生がクーベルタン男爵と交わり、創立者が嘉納先生と交わり、その思いが繋がった結果「オリンピック精神(オリンピズム)をもって世界平和に貢献する」活動が学園オリンピックやオリンピック教育といった本学園のオリンピックムーブメントに繋がっていると考えられます。また、幻の東京オリンピック開催の道半ばで逝かれた嘉納先生の精神を繋ぎたいという創立者の思いがあったのかもしれません。
 嘉納先生が最後まで行ったスポーツ振興や普及活動はその後の松前重義博士のスポーツを通じて行う国際友好親善活動や対外文化教育の原点につながったと思われます。例えば、創立者はモスクワオリンピックの際にスポーツと政治の分離を訴えて各国を回られたり、ロサンゼルスオリンピックでは野球や女子柔道の採択に尽力されたりしています。
 東海大学の建学の精神の究極の狙いは「新しい文明創造の士となる有為な青年を育成し、持って『世界平和』に尽くす」ことです。一人でも多くの生徒が、学園オリンピックに参加し、2020年東京オリンピックに興味関心を持ち、オリンピズムに共感し、その思いを繋ぐことが出来たら素晴らしいと考えています。

文章を書くにあたり、様々な人から資料を頂き、助言を頂きました。また、日本オリンピック委員会のWebサイトも参考にさせて頂きました。この場を借り、お礼を申し上げます。ご協力ありがとうございました。

(上田 康裕)

コラム813

コラム
『静かなしぐさ』

ある本にしなやかな人生のためのアロマという題材でエッセイが載せてありました。気になる内容でしたので、みなさんに紹介します。

『テーブルにコップを置く。ドアを閉める。エレベータのボタンを押す。
こんなありふれた動作が、美しくも醜くもなります。
たとえば、がちゃりと受話器を置くのではなく、相手が切ったのを確かめ、
ゆっくり静かに置く。
このような静かなしぐさは、美しさを生み出します。
コップをがちゃん!と置かれたら、誰でもいやな気持ちがします。

静かにゆっくりと置けば、おもてなしになります。
マナーとは、世の中に対しての礼儀作法です。
そして、マナーやルールは人から与えられるものではなく、自分でつくるもの。
一人ひとりが静かなしぐさを身につければ、公共のルールなんて、
いらなくなるかもしれません。』

わたくしもまだまだ未熟ではありますが、心掛けていこうと思っています。みなさんもどうでしょうか?
(西村香織)

コラム812

最近、牛丼作りにはまっています。数か月前なんとなく適当に作った牛丼が、思いがけずわが子らに好評で、それならと月に1度2度のペースで腕を磨いています。

フライパンでなく大きめの鍋を使い、質より量のお肉(牛丼と言いながらときどき豚肉)を炒めつつ、さらに肉の量以上の玉ねぎスライスを炒めます。たっぷり水を入れ、濃い味が好きなので出汁・醤油・砂糖を多めに。日によって糸こんにゃくや揚げを入れたり。私は少し砂糖多めの甘めなタレが好きなのですが、妻はすっきり醤油味派。

果たしてわが子らは将来どちら派になるのか。きっとすっきり派なのだろうな、などとそんなことを思う今日この頃でした。
(桐原康成)

コラム811

『言葉の力』

 先日、令和元年度熊本県高等学校総合体育大会が開催された。毎年開催されるこの大会はインターハイ県予選会として、部活動生にとっては集大成の大会でもある。また、今年のインターハイは南部九州総体ということで、剣道競技は18年ぶりに熊本開催が決まっていた。

 そして、18年前を思い出す。当時、高校3年生だった私は団体戦の出場権を逃し、個人戦のみエントリーすることになっていた。大会当日は地元開催のため、親戚や中学小学時代の恩師や友人も応援に駆けつけてくれた。高校進学を決める時、「日本一になるために地元を離れます。」と宣言して中学校を卒業した私が有言実行するチャンスがこの日であった。

 全身全霊で臨んだ大会は個人3位という結果で幕を閉じた。中学校の時までは九州大会にも全国大会にも出場したことの無い私にとって、初の全国入賞となった。団体戦の前に個人戦が終わったので、閉会式までの間に時間があり、応援に駆けつけてくれた人達に御礼を言いたく観客席に行った。親戚や恩師、友人も「全国で3位は凄い、頑張ったね。」と声を掛けてくれた。すると、地元の同級生が一人で入り口付近に立っていた。私が駆け寄り「応援に来てくれてありがとう。」と伝えると「全然駄目たい。勝也君は日本一になると約束して地元を離れたのに、3位たい。」と本当に残念そうな顔で返答し、帰って行った。この言葉を聞いて私は頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた。

 おそらく、私の顔は全国3位に満足して知り合いに挨拶をして回り、「頑張ったね。」と褒めて貰うことを要求していたのだろう。本当に自分自身を情けないと思ったし、この同級生の一言で私は初心に戻ることができた。この時には進学する大学も決まっていたが、もう一度、本気で日本一を狙える大学へ進学したいと熱望し、決まっていた大学を辞退して進学先を変更した。(当時この時期に変更するのは御法度だったが…)
 あの一言を発した地元の同級生は、剣道経験者でもなく、ただのクラスメイトである。しかし、中学卒業時に私の目標を聞いて言葉をプレゼントしてくれた。その言葉が本校の道場にも掲げてある「楽をすることを考えたとき、夢はくずれる」という言葉である。絶対に夢を諦めてはいけないことを教えてくれた。そして、私が大学生になっても応援を続けてくれて、大学日本一になる瞬間を日本武道館で見届けてくれたが、その日は会場で会うことができなかった。その日まで電話や手紙のやりとりをしていたが、私の夢を見届けて以来、この同級生とは今も音信不通である…。

 言葉の力は本当に大きい。今年の高校総体でも監督からの言葉、仲間からの言葉、家族からの言葉など様々な素晴らしい声掛けがあったのではないだろうか。時には人生を変える一言もあるだろう。今後も人との出逢い、言葉との出逢いを大切にして欲しい。

(芹川 勝也)

6月のおすすめ図書です。

『怖いへんないきものの絵』 中野京子 著 早川いくを 著
『怖い絵』シリーズの著者である中野さんと『へんないきもの』の著者の早川さんがタッグを組んだ本です。絵画に描かれている生き物について、お互いの専門分野を活かしてあれやこれやと解説しています。

『絶望手帖』 家入一真 著 絶望名言委員会 編集
古今東西、いろいろな人の前向きでない言葉を集めた本です。夢や希望を与えてはくれないかもしれませんが、共感したり「なるほど」と納得できる言葉が見つかるはずです。

『料理が苦痛だ』 本多理恵子 著
料理を作り続けているすべての人に送る一冊です。レシピも載っていますが、書名の通り「料理が苦痛」と感じるメカニズムを本多さんなりに分析し解説し、苦痛から解放されるにはどうしたいいのかのアドバイスが主な内容となっています。